南極は気象条件が厳しいため、人の定住が困難であり長い間未踏の地であったが、
1908年に
イギリスが南緯50度以南、西経20度から80度に至る範囲の諸島の領有を主張したのを切っ掛けに、他の国も南極の一定区画の地域の領有を主張するに至った。
国際法における国家
領域取得根拠としては
先占 (occupation) があるが、南極はその気象などのため実効的支配が困難であり先占の法理をそのまま適用するのは無理があるとして、先占がなくても一定の範囲で領域の取得を認めるとする
セクター主義が主張されたものである。
しかし、セクター主義には反対する国家も多く、国際法として確立しているわけではなかった。しかし、科学技術の進歩により実効的支配による先占の可能性も否定できなくなり、領土の獲得競争が展開されるのは必至となった。それを阻止し、南極地域(すべての
氷棚を含む南緯60度以南の地域)の継続的な平和的利用のために締結されたのが、本条約である。