ソ連は
1980年代後半から、アメリカとの友好政策に目を向け始め、
ベルリンの壁崩壊後、それまで冷戦と呼ばれていたアメリカとソ連の対立はなくなった。またソ連それ自体も解体し、ソ連を構成していた諸共和国は独立、ロシアも
自由主義体制に転換した。そうして
1990年代前半の一時期は、アメリカとロシアの関係は良好な方向に向かっていると思われた。しかし一部の旧ソ連諸国・地域では
21世紀に入り、
NATOや
EUなど旧
西側諸国の機関や連合体などに加盟する動きが見られるのに対し、ロシアは、豊富な天然資源による国力の増強、そして、「強いロシア」の復活を目指し、「世界の多極化」を唱え、自らの影響力の確保のためにそれを牽制する動きを見せている。グルジアや
ウクライナ、
アゼルバイジャン、
モルドヴァのEUへの加盟への動きに対するものが、その代表的な例である
2001年には
上海協力機構が結成され、ロシアは
中華人民共和国との関係を強化し、また、後に反米を掲げる
イランとの関係も強化した。また、「アメリカの裏庭」である
キューバ、
ベネズエラ、
エクアドルといった反米的な中南米諸国との関係を強化している。こうして、ロシアはアメリカの一極支配に対抗するため、アメリカに対して様々な牽制を行っている。逆にアメリカ側は「ロシアの裏庭」である
ウクライナ、
グルジアなどとの関係を強化し、これが米露関係の緊張を高めている一つの要因になっている。