こうした意思表示のもと結ばれた契約は、
取り消しうる(遡及的に
無効になる)場合が多い。ただし
動機の錯誤は、厳密な理論上では瑕疵ある意思表示の一類型であるが、広い意味で内心と表示が食い違うということで
錯誤()の一類型として処理されるので、その効果は
無効(ただし取消的無効)である。現在の日本の民法の解釈学の主流が、意思の欠缺と瑕疵ある意思表示とを厳密に峻別し異なる取り扱いを定めた当時の立法者の意思とは乖離していることの現れの一つといえる。典型的な瑕疵ある意思表示には下記に示す詐欺・強迫があるが、詐欺・強迫に該当せずとも意思表示に瑕疵があれば非典型な瑕疵ある意思表示となる。民法には条文で示されない非典型のものがあるからである。(例:非典型契約、非典型担保)
・強迫行為により一時的に自由意思を奪われた行為者が行う意思表示。表意者本人の帰責性は詐欺に比べて小さく、取り消すことができ、かつ善意の第三者に対抗できる(民法96条3項の反対解釈)。
商法(
会社法)上、
株式を引き受ける場合など意思の欠缺や瑕疵ある意思表示による表意者保護規定の適用が制約される場合がある。また、
手形法においては、
民法の意思表示に関する規定自体の適用を排除されるとする見解や、
善意取得の際にその規定の適用を制約しようと考える見解も存在する(いわゆる無制限説)。