人類史のどの段階で初めて舞台が現れたかは、はっきりとは分かっていない。西洋の場合、記録に残る最も古い舞台は、古代ギリシャ演劇の野外劇場である。これはすり鉢型の地形を利用した巨大構造物で、舞台は底の部分につくられた。観客は見下ろすような位置から舞台全体を見ることができた。この様式は
古代ローマにも引き継がれ、その様式を踏襲した楕円形の劇場建造物なども生み出された。その代表的なものには
コロッセウム等がある。
日本においては、
舞楽のための舞台が、一定の様式を持った舞台としては最古のものである。舞楽は
雅楽の伴奏で舞う舞踊、舞踊音楽で、
奈良時代に
中国大陸や
朝鮮半島、
ヴェトナムなどから渡来、また
平安時代には日本でも作られたもので、貴族の嗜み、娯楽、舞踊芸術として、また伝承が断絶してしまった
伎楽と共に仏教の法会などで演じられた。舞楽の舞台は約4.5
間四方の欄干(高欄、こうらん)が付いたもので、南北両側に演者が上り下りするための階段が設けられている。舞楽が演じられる際には、その中にさらに3
間四方の敷舞台が置かれた。
舞楽以前にも様式を持った舞台が存在した可能性も否めない。少なくとも、岩などの自然の地形を利用した舞台と、そこで演じられる民俗芸能的なものは、確実に存在したと思われる。