国の最高議決機関として日本の
国会に相当する議会あるいはそれに類する組織を設置している国には
定員の数こそ違えど議員としての権限を有する者がいることになる。また、その国の地方自治体にも議会が存在し、それを構成する議員がいる。ただし、
国家元首による
独裁政治や議員のほぼすべてが同じ政党に属する一党独裁政治が行われている国家では、議会そのものは存在していてもその存在は形骸化しており、採決に際して国家元首や政党の意向に背くような票を議員個人が投じることが実質的に不可能な場合がある。更に、議員を選ぶ側であるはずの有権者にも議員を選ぶ余地が与えられていないことさえある。また、議会は議会として概ね正常に機能している場合でも、
アメリカ合衆国のように
大統領に大きな権限が与えられ、議会の決定が国益に背くと判断する場合にはその決定を覆すことができ、議員の意思が結果的に無に帰してしまうこともある。
議員を仲立ちとする地方と国との
利権関係やそれに起因する諸問題は、今も昔も
政治の世界では避けて通ることができない。議員を選出する側である有権者は、諸制度の改善や地元地方への
インフラ整備などによる社会的・福祉的な恩恵、又は国家的なイベントや高速交通機関の誘致や
公共事業の受注などによる経済効果を求めるし、議員の側も地元への便宜をはかることで次の選挙での再選を期そうとする。社会的な利益の還元として地元を潤す形であれば特に法を犯すこともないが、一部の議員の強烈な圧力によって公共事業の計画を大幅に変更させたり、公共事業をばらまいたりといった行為がしばしば非難の対象となる。こういったことは日本に限らずアメリカでも聞かれる話で、少し古い話だが、
1950年代後半に
アメリカ陸軍の
準中距離弾道ミサイルMGM-31 パーシングの主契約企業の選定作業で、元ミシガン州知事であった陸軍長官ウィルバー・ブラッカーが、契約を
ミシガン州の企業に与えるように地元から圧力をかけられていたことがあった。候補に挙がっていた企業の中でミシガン州の企業は
クライスラーだけであったが、実際に受注したのは
マーティン・マリエッタであった。
こういった議員を仲立ちとする利権が、制度の不備の改善や交通網の整備といった公共の福祉を大幅に超えて特定の
個人や
企業に対する不正な利益供与に至ると
汚職という形になり、
刑事事件にも発展していく。議員の汚職は幾度となく問題となり、逮捕者が出たり、有罪判決が出て議員としての職を失ってしまったりするような事件が起こっても後を絶つことがない。また、有罪判決を受けて失職してしまったにも関わらず、有権者の地元への恩恵の期待から、その議員が次の選挙で再び当選してしまうことも決して珍しいことではない。
国の最高議決機関を
両院制としている国では、
上院と
下院にわかれていることが多い。これらに所属している議員をそれぞれ
上院議員、
下院議員と呼ぶ。世界的な視点で見れば、日本の
参議院議員が上院議員にあたり、
衆議院議員が下院議員にあたるが、日本の国会議員を指す場合には上院議員、下院議員という言葉は用いない。ただし、上院と下院はいずれも便宜的な名前であり、英語でも upper house 、lower house などと呼ぶが、正式名が各国それぞれ別にある。例えば、
アメリカ連邦議会の
アメリカ合衆国上院は直訳すると「合衆国元老院」であるし、
アメリカ合衆国下院は「合衆国代議院」である。日本の
新聞や
ニュースではほとんどの国の上下院議員を「アメリカ上院議員」などと国名を付けて呼ぶことがほとんどで、大統領選挙の場合など国名が自明である場合や複数の議員の名前を挙げる場合など繰り返しになる場合は国名を省略する。