派手な衣装と化粧をし、
サーカスなどで玉乗りや司会を行う人のことを日本などではピエロ、諸外国ではクラウンとよぶ。こうしたものの
ステレオタイプ的な例は、
マクドナルドの イメージキャラクターや、
バットマンのジョーカーなどにみることができる。本来のピエロは、
コメディア・デラルテに登場する、顔は真っ白で哀愁を漂わせ、好きな人を殺してしまうことでしか愛情表現できないキャラクターが起源とされる。
道化師の歴史は
古代エジプトまで遡ることができる。
中世の
ヨーロッパなどでは、特権階級にある人物が城内に道化としての従者を雇っていたことが確認されており
宮廷道化師と呼ばれている。宮廷道化師の仕事はその名の通りの主人または周囲の人物達を楽しませる役割の他、王の
スパイとして主に城内の
反逆の恐れのある人物などの様子を探る諜報活動も行っていた。また、宮廷道化師達は
小人症などの
肉体的障害を持っているものが多く、笑い物としての対象にされていた。しかし、
君主に向かって無礼なことでも自由にものを言うことができる唯一の存在でもあった。尚、宮廷道化師達の肖像は犬と一緒に描かれることが多く、彼らが犬と同様に王の持ち物とされていたことを裏付けている。
シェイクスピアの戯曲などにもしばしば登場し、重要な役を担う。
歌舞伎には
道外方または
道化方いう役どころがあるが、これが最も古い時期に成立した役柄の一つといわれる。やはり物真似や滑稽な口上で人を笑わせたが、西欧の道化師との大きな違いはそれが純然とした芝居の役どころとして発達したことにある。
元禄歌舞伎では、演目の構成上特に重要な一場面を担当することが多く、それもただ滑稽な演技で観客を笑わせるだけではなく、司会役としての役割を兼ねた役どころだった。しかしその後の歌舞伎が物語性を追求したものになっていったこと、そして
通し狂言がほとんどなくなり今日のような
見取り狂言じたてになったことで、道外方の役割はしだいになくなり、
天明歌舞伎のころまでには衰退してしまった。